円空仏を訪ねる(4‐2):飛騨高山・国分寺、千光寺、清峯寺


 円空仏を訪ねる旅の2日目。下呂温泉で朝風呂に浸かったあと、国道41号沿いに北上して飛騨・高山に向かった。今回、特に訪れたかったのは「千光寺」・・・円空上人が晩年に長らく滞在した寺で、有名な「びんずる像」や「両面宿儺(りょうめんすくな)」などといった円空の円熟期に彫られた傑作が沢山残されている。

              途中、飛騨萩原にある「禅昌寺」に立ち寄る。

 高山に着いたあと、久し振りに市内の古い町並みを散策してみた。街は朝早くから多くの観光客で賑わっていた。円空仏が展示されているという「高山市郷土館」にも行ってみたが、この日は月曜日ということで残念ながら閉館だった。

  <飛騨国分寺>

    JR高山駅近くにある飛騨国分寺。本堂内(写真・右)に円空仏があり有料で拝観できる。

 写真・左が暗い本堂内で拝観させて頂いた円空作の「弁財天」(100cm)
国分寺のご本尊である立派な「薬師如来」などと並んで安置されていた。
 下は円空作:「なべぶた三尊仏」
3体の小さな薬師如来像の下に鍋蓋そっくりの台座がある。

          円空作:「弁財天」         
 飛騨国分寺をあとにして、高山市郊外の山の上にある丹生川町の「千光寺」に向かった。途中の田圃では田植えをする風景があちこちで見られた。
 


                    丹生川町付近での田植え風景

  <飛騨千光寺と円空仏寺宝館>

              樹高50m・樹齢1200年という千光寺の五本杉

         真言宗・飛騨千光寺                  円空仏寺宝館  
     寺宝館には円空仏64体と寺に伝わる宝物が展示されている。(入館料@500円)

        現存する唯一の円空画像                「びんずる像」(47cm) 
 写真・右上の「びんずる像」は「なで仏」とも言われ、かつて寺を訪れた信者たちに頭をなでられたために黒光りしている。優しく微笑んでいる顔がとても良く、円空の自刻像ともいわれている。  
     「不動明王」(中央・97cm)・「金剛童子」(左・62cm)・「善財童子」(右・58cm)

         「不動明王」(97cm)                「両面宿儺」(87cm)
 写真・右が円空の代表作といわれる「両面宿儺(りょうめんすくな)」像。前と後にそれぞれ顔と手足を持つ。日本書紀には怪物として記されているそうだが、かつて飛騨を開拓した豪族であり、地元の人々は「スクナ様」として徳を讃えて信仰してきたという。
                        護法神(216cm)
     高さ2m以上もある護法神像の顔部分だが、いかめしい顔ながら微笑んでいる。



 飛騨千光寺は約1600年前に開創されたという真言宗の古刹である。武田信玄が飛騨攻めした際に焼き討ちにあって焼失したが、再建されたあとの江戸時代中期に円空がこの寺に滞在し、飛騨各地を巡り歩いて沢山の仏像を彫ったという。

  <清峯寺>

           高山市国府町にある清峯寺は白山神社の一角にある。
 円空上人がこの地に滞在した頃には近くの山の中腹にあったが、その後、神社と一体になった。

      円空仏は「円空堂」(写真・左)の中に納められている(拝観料@200円)
    寺は現在無人なので、拝観したい人は予め連絡して鍵を開けて貰う必要がある。
           (連絡先:船坂秀雄氏・0577-72-3362)
    円空作の仏像三体:左から「聖観世音菩薩」「十一面千手観音菩薩」「竜頭観世音菩薩」
 いずれも檜材に一刀彫りしたものとされている。現在の清峯寺は無人寺だが、以前は尼寺だったとのことで、3つの仏像は囲炉裏の煙を長い間浴びたためかやや黒ずんでいた。実に味わい深い表情をした素晴らしい仏様であった。


       「聖観世音菩薩」                   「十一面千手観音菩薩」

 清峯寺・円空堂の鍵をわざわざ開けに来てくれ、いろいろと親切にご説明までしてくれた船坂氏にお礼を述べた後、上宝~平湯温泉を経由してから野麦街道を走って松本に出た。途中、焼岳や雪の残った北アルプスの山並みが見えた。


       高原川河畔から見た焼岳           平湯温泉から残雪の笠ヶ岳を望む   
                  北アルプスと安曇野の田園風景

函館市サービス地域:世界13カ国、2千万件以上の国内外の旅行情報や口コミなどが掲載された「Tripadvisor」という旅行口コミサイトとリンクしました。このページの他、「円空仏を訪ねる:北海道編」「四国お遍路・高野山お礼参り」などのBlog記事が掲載されています。

by masaok15 | 2009-05-29 19:24 | 円空仏を訪ねる | Comments(3) 

Commented by rollingwest at 2009-05-30 06:30
焼岳や笠ケ岳がこのようなアングルから見られることはあまり想像していませんでした。
 
「笠ヶ岳」は「円空上人」によって開山されましたが、円空亡き後、久しく荒廃状態だったそうです。この麓に住んでいた「播隆上人」(槍ケ岳の開山僧)はこのような状況を憂いて、笠ケ岳再興のために登山道を完成、一里毎の石仏設置・頂上への阿弥陀仏安置などの功績を残したとのことです。

Commented by KUNI at 2009-05-30 16:28 x
飛騨千光寺には3年ほど前の秋に訪れ、山門の手前にある5本杉にも立ち寄りました。
展示館の円空仏は素晴らしいものが多く、びんずる像と両面スクナ像が強く印象に残っています。びんずる像は円空さんの自刻像だといわれているそうですが、いかにも優しそうな微笑みがいいですね。
Commented by masaok15 at 2009-05-31 09:04
>RW兄。平湯温泉から見た笠ヶ岳は形も良く、まだかなり沢山の残雪がありました。
笠ヶ岳を開山したのは播隆上人だとばかり思っていましたが、実はもっと以前に円空上人によって開山されていたようですね。
>KUNIさま。千光寺の円空仏・寺宝館は展示内容がすごく充実していますね。
このブログでは私が気に入ったほんの一部しか載せていませんが、他にも素晴らしい仏像が沢山ありました。近くでじっくりと拝観して見ると、どの仏様もかすかに微笑んでいるような表情をしているのが何とも言えず良いですね。
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